がん患者さんの場合、「気持ちのつらさ」から「死にたい」という思いが強くなり最悪の場合自殺につながります。自殺率は他の身体疾患と比較して有意に高くなっています。診断後1年以内、特に診断直後はリスクが高く注意が必要です。担当医師は、まずは気持ちのつらさを受け入れ、理解し支援する準備があることを伝える必要があります。がんの診療にあたり、専門的な知識や技術も必要ですが、支持的・共感的な態度で関わるという人間性も大事なことですね。
2019年11月22日
2019年11月12日
身体的苦痛
身体的苦痛とはいわゆる癌性疼痛のことです。悪性腫瘍の多くは局所の内臓痛のほか、神経痛/放散痛/関連痛など全身への疼痛症状がでることが多く、鎮痛治療にはモルヒネなどの医療用麻薬が必要です。医療用麻薬は一般的な麻薬とは全く異なり、習慣性や依存性などの副作用は基本的に考慮せずに安全に使用できます。がん患者さんの多くはこの医療用麻薬がキードラッグとなってきます。最近では錠剤以外にも粉/液/貼布製剤なども開発され、内服困難な患者さんにも投薬可能となっています。